ゾーンとは
「集中力が非常に高まり、自分の感覚が研ぎ澄まされて、活動に没頭できる状態。驚異的な集中力で予想以上の結果を出せる状態」
介護の現場は過酷です。
特に夜勤となると少人数で見ないといけません。
特別養護老人ホームや老人保健施設などでは
従来型という昔ながらの形態の施設なら
30名~40名の利用者さんを2名で見る事が多く
下手したら1名~1、5名でお世話をする事も、、、
と、夜の体制は人数少ないのに、
- 歩行困難だけどトイレ頻回な方
- 椅子に座るのも不安定だけどポータブルトイレ(部屋に置くトイレ)に座ったり
- 意味なくナースコール鳴らしたり立ち上がったり
- いろんな事を気にして歩き出したり
と、こんな理由で転んでしまう可能性が高い方々の動き出しに対応しています。
しかも、何人もいる為、同時に動きだす事も日常茶飯事。
2名いれば何とか連携して順番に対応して乗り切れるものの、、、
この状態は1名で待機している時にも起こります。
そうです、30名以上も利用者さんいるのです。被らない方がおかしい。
夜間、何も介助がいらない方など数名程度。
2名体制で夜勤していても、相方が仮眠に入る時には1名で対応しなければなりません。
これが、夜勤の高ストレスと言われる所以です。
相方が夜勤に入り、穏やかな時間が過ぎて
このままでいてくれよと思うが、
勝負の時はいきなり来ます。
1つ目のナースコール
「久しぶりに鳴ったなセンサーマットの人だから速く行かないとね」
2つ目のセンサー音
「ポータブルトイレの人だな、少し猶予あるな」
対応しているうちに3つ目、4つ目のセンサー音
夜勤の相方は休んでいるので呼べない
そんな時間の猶予もない。
転倒のピンチ!!ここで介護士は自動的に
「ゾーン」に入ります。
一人目の方は横にすぐにして、2回目にセンサー鳴ったけど何とか自分でポータブルトイレに座ってもらって来るまで動かないように声かけして、3人目の人は高リスク過ぎるから全て終わるまで横になっていってもらって、4つ目のセンサーの人はふらつくけど遠巻きに様子見るようにしていれば何とかなるだろ!!」
と、利用者さんの動作の状態と環境と、時間の猶予を一瞬で計算しながら、転倒しないギリギリラインのリスクを取り、これらを尋常じゃない「集中力」で同時に動き出した方達の対応を一つ一つ終わらせていく。
黒子のバスケの青峰大輝もびっくり、
介護士は利用者さんを守る為、転倒させない為にゾーンに簡単に入ります。
そうこうしているうちに、全員の対応を終了。
転倒なく対応できた事にホッと胸をなで下ろす。
そして夜勤の相方が仮眠から戻ってくると
こんな事があったと状況を共有。
相方も理解してくれるので
「大変だったね」と声かけてもらって
「自分じゃなければ転倒させてたな」と自分で自分を褒めて仮眠に入っていく。
そんな利用者さんの状態を一人一人把握して、経験と知識を活かしながら集中力を高めて瞬時に判断ができる
介護士のゾーンあるある
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