事業所全体の接遇と夜勤専従「モンスター職員」の勤務態度を正した事例

介護の悩み解決

皆さんこんにちは、銀です(^_^)

介護現場は人手不足の業界。

マンパワー不足の上、財源も確保できない。

そういう事情が蔓延している業界なので

どんな方でも働き手として重宝されます。

ただそういう事情で「難がある」職員も背に腹に代えられないと雇い、現場で問題を起こしていても、辞められたら困るという理由でお咎めなしという事例は、誰しも経験している事だと思います。

自分もグループホームに配属されてから、とんでもない職員と遭遇し、ほとんど放置という状態。そんな職員を正していった取り組みの事例を記事にしましたので、何かの参考になれれば幸いです。

モンスター職員像

モンスター職員Mさん(67歳女性)

介護歴は30年以上のベテランさん。しかし、利用者さんへの態度には目に余るものがありました。

「なにやってんのさ!!」と怒鳴る

「早くしなさい!!」と知識は無いから、

レビー小体認知症の動作緩慢の症状も本人の甘えと捉えてイライラして声かけ

自分本位の介助と動き

明けでは夜間眠れない利用者さんの目の前で「もうこんな人いたら頭おかしくなる!!」と心ない言葉をぶつけていた。

配属された時に自分は愕然とした。

『こんな職員が放置されているのか、、、』

確かに言えない状況も理解できない事はない。並々ならぬ威圧感(ある意味覇王色の覇気)を纏い、言った事には聞き入れず、注意した事も「誰が告げ口したのさ」と周囲の職員に聞いて回る、困った職員。

しかも目立っていた職員はこの方だが、グループホーム全体で接遇が皆無な状態。ここまでひどくはありませんが

  • 利用者さんに怒る
  • 利用者さんの訴えも聞かずに雑談(訴えは甘え、自分でやりなさいと思ってる)
  • 生活リハをはき違えて放置して自分でやらせる

そんな職員が蔓延している。

身体的虐待がないだけで、虐待じみた雰囲気(本人達は良かれと思いやっている)

狭い空間で、不適切なケアも不適切と疑問にも思わない職員達。

上司の部長も改善の取り組みしない。

とても恐ろしい。

これは『どげんとしなきゃあかん!』

数年かけて改善すると壮大なプロジェクトを取り組むと心の中で誓うのでした。

まずは全体の雰囲気を変える取り組み

まず、全体でこの利用者さんを怒ってしまう雰囲気があたりまえになっているという状態化を改善しようと3ヶ月に1回は部署会議で接遇に関する資料を配付しました。

  • 口調は強くないか
  • 敬語は使用できているか
  • 不適切な声かけしていないか
  • 利用者さんをちゃん付けやあだ名で呼んでいないか

等の話をして、全体で振り返る機会を作り

個人でも振り返りシートを配布して記入していったりと

個人で正すという事よりは全体の雰囲気を改善し

そういう関わり方や言動は「悪」という事を植え付ける取り組みを根気良く重ねていきました。

時には虐待の動画やニュースを皆に見せてこういう事はしないようにと注意喚起。夜勤専従にも夜勤中に見てもらう。

(その時はこんな事はしてはいけないよねと言葉はある)

ただつらい介護の仕事で心が乱れてしまうのも解るので、そういう時は利用者さんに聞こえないように休憩室に入って裏で話してはいいからフロアではしないでと伝える。

しかし2週間も経過したら頭から離れて言葉や態度が乱れてくるのでその時は口頭注意。

反発する態度も見せる職員もいましたが、会議で皆で話しているから頭にいけない事と呼び起こされて少し時間が経って冷静になると「悪かった」という雰囲気を出すようになっていく。

高齢の職員が多いので、なかなか今までしてきた事を急には変えれないが

そういう事はしてはいけないという考えが徐々に浸透。

ただ、その「Mさん」役職の前では多少の言動を気をつける雰囲気を見せましたが、隣のフロアにいると大声が聞こえてくると改善は見られませんでした。

そして事件

そんな中「Mさん」が利用者さん顔を叩いていたという情報あり。

最近の言動も更に目に余る事になっていた事もあり『もう覚悟を決めて取り組まないと』と思い。内部告発も辞さない構えで上司に上申。

『辞めても良いくらいの思いで取り組まないと、もう利用者さんの不利益に黙ってられません』と告げると上司も「本当にもうやらないとダメだね」と腰の重い上司も動かした事により、ここがチャンスと取り組みを一気にブーストさせました。

・全員と個人面談して事実確認

・面談時に全員に全体的に不適切な言動になっている事を注意

・Mさんの言動確認

これらを行っていきました。

事実、Mさんの言動もそうですが、身体的虐待を匂わせる

【頬を叩く】【威圧的な態度や言動】【腕をちねる】

これらの行動を見たという情報が聞き取り調査にあり。

法人トップにも報告し問題は会社全体に知れ渡り、Mさんの注意を促していく取り組みも報告と相談を慎重に行いながら

最後に雇用継続するかどうかも前提に最終対決に臨むのでした。

モンスター職員と面談、最終対決

部長、自分(当時介護主任)、モンスター職員の三者面談。

使用者側の立場として、今後も利用者様の不利益になってしまうなら解雇も辞さない構え。そういう形で面談できるように、ロジックを積み重ねてきた。最終対決。

・利用者さんの頬を叩いた

・言動や口調が威圧的すぎる

・腕をちねっていた

等、Mさんの行動を職員皆が見ているとはっきりと伝えた。

Mさん「私はそんな事をしていない!!」と言い訳。でも見ている人もいる、事実無根だとしていても、そう捉えられても仕方ない日々の態度は目に余ると注意する。

Mさん「周りだって威圧的な言動している」と責任転嫁してくる。そこも絶対逃がさないと取り組んできてきた私は、『そうだとしても全員と面談して全員に注意をしている、あなただけに言っている事ではないので改善しますよね?』と伝える。

少し涙目になってきたMさんだが、利用者さんが受けてきた事を考えると、温情を掛ける事はせず。

今後も態度見直す事ができないと判断すれば懲戒処分もありえるとはっきりと伝えて、今後どうするか考えてと伝えて面談は1時間ほどで終了。

Mさん「考えます、、、」と気落ち。

後日、Mさんはしゅんとした態度で

「利用者さんへの威圧的な言動は二度としません」と謝ってきました。

反省の色もうかがえたので、雇用は継続。

部長や管理者だけでなく、不在の時で「目」がない時は他部署の役職も見回りに来るという体制も確立する。

そうこうしていると、Mさん猟奇的ともいえる雰囲気はなくなり、時々言動が乱れてしまう時もあるが許容範囲で自分自身で気をつけていくようになっている。

全員面談した事により、全体の雰囲気も変わり、利用者さんに言動を注意して行動している旨が手に取るようにわかりました。

ここまで来るのに1年半。

取り組んできた事が実を結んだと思える事でした。

最後に、、、取り組んでも退職者0

「解雇も辞さない構え」で取り組んできた接遇の改善でしたが

取り組んでも結局は退職者0でした、むしろ取り組んだからこそ

まともな常識的に考えられる職員も報われていったとも考えます。

皆さんは心の中ではいけない事と思っているのですが

知識がなかったり、忙しい中で感情がコントロールできなかったり、皆がしているからとしてしまう環境だったりという事が起因して、歯止めがきかなくなる状況が続いていたように思えます。

中にはもっとモンスターな職員や環境があるかもしれません。

でもあきらめずに取り組めば改善できたという1例です。

利用者さんの暮らしを守る為に、何かしらの参考になれれば幸いです。

良い生活の場、良い労働環境を守る為に、共に目の前の課題に取り組んでいきましょう。

では、また!!

銀です(^_^)  
奥さんの桜といっしょに夫婦でブログ運営をしています♪このブログでは
「介護」「お金の取り組み」「子育て」の事を掲載しています。
皆さんの心が少し楽になったり、くすってなったり、ほーってなってもらえたら嬉しいな♪

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